東京エアハンター

2016年狩猟免許取得。
エースハンター5.5mm、レミントンm1100を所持。
神奈川とさいたまで狩猟はじめました。

★シカ増えすぎ問題☆

シカの増えすぎ問題について調べてみました。


2015/11/02の読売新聞によると、以下の様な数字になっています。



・ニホンジカ:249.2万頭(1989年30.7万頭)


・イノシシ : 88.7万頭(1989年25.3万頭)


・ハンター : 18.1万人(1975年51.8万人)



ハンター年齢は1975年に50歳以上22.2%。2012年には50歳以上が82.3%となっています。


近年狩猟免許保有者の人口が減っていたり、高齢化が進んでいるため、野生動物の勢力が強くなり、日本全国で増加しています。特にシカは1年で20%も増えるため、母数が大きくなると爆発的に数が増えていきます。イノシシも増えています。



計算上純増した場合、8年後には1000万頭を超えることになります。


うそっ!



そして10年後には、1541.7 万頭となり、東京都の人口1335万 人(2014年)を超えます。


22年後には1億3746千万頭となり、日本の人口1億2730万人 (2013年)を超えます。



鹿が理論上20%/年 純増した場合

 初年:249万頭


 1年:298.8万頭


 2年:358.6 万頭


 3年:430.3 万頭


 4年:516.3 万頭


 5年:619.6 万頭


 6年:743.5 万頭


 7年:892.2 万頭


 8年:1070.7 万頭



シカにとって最強の捕食者はやはり人間なのですが、天敵であったニホンオオカミ(北海道はエゾオオカミ。食べるのはエゾジカ)の絶滅(1905年。110年前!)もあり、増加に拍車がかかっています。



ニホンオオカミ-Wikipedia


1905年(明治38年)1月23日に、奈良県東吉野村鷲家口で捕獲された若いオス(後に標本となり現存する)が確実な最後の生息情報、とされる



いわゆる田畑の作物食べちゃう系のみならず、山の草木を食べ尽くしてしまい、京都では丸ハゲ山になってしまったりしているようです。鹿の首の届く範囲でも、樹皮を一周食べると、その木は光合成ができなくなり、枯れてしまいます。



林野庁- 森林における鳥獣被害対策のためのガイド


http://www.rinya.maff.go.jp/j/hogo/higai/pdf/gaide_all.pdf



ガイドより引用


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シカも森林生態系の一員ですが、シカが高密度になってしまうと、シカの食べない植物ばかりが繁茂し、樹皮剥ぎによる樹木の枯死や若木の減少によって森林の構造が変化して、植物の種組成が単純になります。


下層植生が食べ尽くされると、土壌が乾燥し、急斜面では土壌が流出するので、多くの土壌動物、昆虫類、サンショウウオやカエルなどの両生類、ヘビなどの爬虫類、モグラやネズミなどの小型哺乳類、それらを食べる鳥類や中型哺乳類など、森林に生息する多くの動物の生活を阻害します。



また、大型の動物にとっても、餌となる動植物がなくなり、隠れ場所もない棲みにくい環境となります。こうして棲み場所を失った多くの動物たちが消えていき、森林の生物多様性は急速に低下していきます。



食害により植生の単純化や生物多様性の低下が生じる(景観や生態系の崩壊) シカの環境適応力は驚異的で、例えば斜面を嫌う傾向が消え、急斜面でも上り下りします。



また、それまで食べていた餌がなくなると、本来嫌いな食べ物も食べるようになります。山麓に暮らしていたシカが、自然公園の景勝地となっている高山帯まで登り、貴重な植物等を食べ、高山帯のお花畑を荒らすことで、特徴ある自然景観や生態系が失われています。


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・・・。



シカ増えすぎぃ~とか言ってる場合じゃない。


生態系の破壊ってこういうことか!!



森林の水源かん養機能(保水能力)が無くなって土砂崩れが起きてしまうことも、丹沢で起きていると神奈川猟友会の方が言っていました。



神奈川県猟友会会員募集中


https://youtu.be/T4cGtGmiR1Q?t=3m53



土砂崩れって言葉はさほど強くないですが、数十~数百メートル単位であたり一帯が根こそぎずり落ちますからね。いわポケモンの必殺技でありそう。



東北地方、福島県も原発近郊で狩猟者がいなくなったり、放射能の問題でお肉自体を狙われなくなっていて、動物が増えているようです。



「狩猟離れ」回復せず 2013年01月03日


福島県内狩猟者三千人の内約千人が原発事故を期に他県へ避難したり狩猟を辞める


http://blog.livedoor.jp/hunter00000000/archives/19728611.html



林業の絡みもあります。昔は杉を植林するなど林業が盛んでしたが、安い海外製の材木が輸入されてきて、儲からなくなるとそのまま放置します。林業で食べていた人は近くに住んでおり、タンパク源として狩りをしていたので、鹿も猪も捕食していました。



林業が衰退すると、それらの人々が少なくなり、狩猟をする人も同時に減ったのです。


昔は猪料理が旅館の人気メニューだったころ、そのお肉は高値で売れました。今はそうでもないのですが、狩猟する人が減ったので肉の提供機会が減ったのか。肉の人気が落ちたから捕る人が少なくなったのかはわかりません。



写真はぼたん鍋。牡丹の花にそっくりですね。



鹿鍋は「もみじ鍋」です。脂肪の無い赤身肉がもみじに例えられたのでしょう。


肉食を禁止されていた僧侶などが隠語として用いたようです。



これは花札の鹿。



そっぽを向いているのでシカトの語源といわれています。


この紅葉(もみじ)から紅葉鍋は来ているのですね。





花札の役「猪鹿蝶」になぞらえて猪肉・鹿肉・鶏肉をセットにした「猪鹿鳥」(いのしかちょう)という料理が出されることがある。だそうです。これは初耳!


高円寺のジビエ

「猪鹿鳥」

のマスターに聞いてみなきゃ。



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余談:みんなの時速比較


・ニホンジカ:60km 


・イノシシ :45km


・人間   :37~38km(ウサイン・ボルト:100メートル9秒58)


・甲斐犬  :36km



これは平地での測定ですかね。山ではボルトは走りませんから、やはり4本脚の動物に人間はかないません。



丹沢で鹿を狩っている猟師の方にお伺いしたとき、下りと平地を走っている鹿は撃たないそうです。


理由は速くて当たらないから。



どうするかというと、A山とB山の間の谷で張っていて、A山からB山方向に追い詰めて下らせる。そしてB山へ登らせるルートに追い込みます。当然上りルートの速度はガクッと落ちますから、そこを狙えば確実だそうです。



うまい猟師っていうのは、撃つタイミングがいいからはずさないんだよとのことです。


なるほど。


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閑話休題(余談を打ち切って、本筋にもどる意を表す語)



歴史的、自然災害等様々な要因がありますが、現在は動物が増加傾向なのです。


こういった状況を打破するためでしょうか、環境省が野生動物の捕獲について、方針を打ち出しました。



野生動物の捕獲を新ビジネスに 2015年9月29日(火)


http://www.nhk.or.jp/ohayou/marugoto/2015/09/0929.html


環境省的には企業の捕獲業務に対して、食えるようにしたいと。



環境省 担当者


「法的なお墨付きを与えて、捕獲を行うことの、なりわい(※)という社会的な位置づけをしっかりしたものにしていきたい。」



 ※なりわい: 生計を立てていくための仕事。



今年度、国は新たに18億円の交付金を用意し、捕獲事業の拡大を打ち出しています。


認定を受ければ事業に参入できると、企業の期待が高まっているのです。



「ぼくは猟師になった」作者の千松信也さんはこの話を聞き、危機感を頂いています。


大規模化しつつある「獣害対策」への危機感 猟師・千松信也氏インタビュー


http://hbol.jp/65459



引用


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 ビジネスは冷徹なまでに合理的なので、捕獲効率が悪く、運搬コストのかかるエリアでは猟をやらなくなり、利益をあげるために数が獲れる場所であることになる。こういった偏った捕獲は生態系のバランスをとるということとは正反対になります。



 何千万もかけて巨大な処理施設を作ったり商品化したら、今はシカやイノシシが増えすぎているからいいものの将来にわたってそれが維持される保証はありません。ビジネスである以上、安定供給されねばならず、捕獲ノルマなどもできてくる。



 日本は自然が豊かだというけど、僕は脆弱なものだと思っています。どれだけ森林の面積が増えて森林飽和の時代だと言われたとしても、人間が本気になればかつてのニホンオオカミのように野生動物は簡単に絶滅させられてしまう。分断された山塊が多い日本の森では、地域個体群の絶滅ということも容易に起こると思います」


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引用終わり



【エゾオオカミの絶滅】


エゾオオカミの絶滅理由は大雪によるエゾジカ大量死で餌不足になったことと、それの影響で馬などの家畜を襲うため、人間に毒エサを撒かれて絶滅させられたのです。



エゾオオカミ - wikipedia


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%BE%E3%82%AA%E3%82%AA%E3%82%AB%E3%83%9F


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明治に入り北海道の開拓により獲物のエゾシカが減少し、エゾオオカミは代わりに放牧されたウマを襲うようになったため、1877年に開拓使によって賞金がかけられ駆除が始まった。新冠牧場においても、オオカミによるウマへの被害が酷かったためエドウィン・ダンの提案により、1879年の夏から秋にかけてストリキニーネを用いた毒餌により駆除が実施された。



また、1879年には大雪によりエゾシカ大量死が起こり、さらにエゾオオカミは追い詰められていった。



奨励策が廃止された1888年までの間に、1,539頭(官庁に駆除されたものも含めると推定2,000-3,000頭)が駆除された。その後、1896年に函館の毛皮商によってエゾオオカミの毛皮数枚が扱われたという記録を最後に確認例がない。



絶滅の原因については、前述の理由以外にも複合要因と推測され、そのひとつに狂犬病やジステンパーが挙げられているが、今となっては科学的な原因解明をした報告はない。


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報奨金が増えたり、拍車がかかるとこのような結果になりかねないです。



環境省のいう「野生鳥獣の保護及び管理」の管理という部分は殺し過ぎないで、人間との共生出来る数を残すってことなので、これから絶滅するほど減ることは無いでしょう。


すごいエゴですが、法律を作っているのが人間だから仕方がありません。



野生鳥獣の保護及び管理


http://www.env.go.jp/nature/choju/



【シカの食害と森林環境】


http://nishigaki-lumber.co.jp/himorogi/bun/44.htm



1994年には、特例措置として、「保護管理計画」の策定県に限定してメスジカの捕獲が解禁され、1999年には「特定鳥獣保護管理計画制度」が創設されて、科学的・計画的に野生動物を保護管理するという方向を明確にしました。


明るい野生計画・・・!!



最近の記事では、このような処理施設が出来ました。


100%民間資本というのがすごい。



イノシシ、シカを食肉処理 南伊豆にセンター(2015/11/5 07:48)


http://www.at-s.com/news/article/local/east/167768.html



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 南伊豆町に賀茂地域で捕獲したイノシシやシカなどの害獣を食肉として処理するための施設が建設され、4日、営業を開始した。経営するのは町内で林業などを営む黒田利貴男さん(50)で、年間千頭の処理を目指す。



 ■年1000頭目標 一般販売も


 この日オープンしたのは黒田さんが代表取締役を務める株式会社「森守」(資本金900万円)が運営する「野生獣肉処理センター」。あえて県や町からの補助金などは一切受給せず、100%民間資本で建設した。


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以前より静岡県伊豆市では、イズシカ丼というのを名物にしようと頑張っていると聞いたことがありました。いま全国的にこのような動きが出ていますね。



http://www.at-s.com/news/article/local/east/163602.html



実際は枝肉の熟成保存の冷凍庫が最大800頭分なので、それ以上は保存出来ないようです。


最近はドッグフードなどに野生カンガルーの肉を利用しているようです。生肉もカリカリもです。アレルギーが少ないとか言われています。


オーストラリアではカンガルーやコアラは増えすぎていますし・・・。



こういった大量に消費する加工品などにも鹿肉が利用される流れが出来るといいのですが。


ただ千松さんの危惧されているように、加工施設を作ったからには生産計画というものが発生し、素材が安定供給される必要があるため、乱獲につながるのではとも思えます。



奈良県のシカは人間に慣れていてとても可愛いですが、やはり周辺の畑で食害を起こしたりしているようです。管理(射殺)しようとすると、愛護団体の猛反対によって計画が中止させられたり。神の使いってことになってますから、奈良の人は乗り気ではないのでしょうね。



ちなみにシカせんべいを売っているおばちゃんに、なぜシカが寄ってこないのか。



食べられたら商売にならないので、そこで鹿煎餅を売ってるおばさんは手元に短い棒を持っていて、鹿が商品を食べようとすると鹿をその棒でしばくようです。




ビシッ!! ギャンッ!!



うまく処理されたシカ肉はとても美味しいので、食べたことのない人はぜひ食べてください。


ちなみにくじらの竜田揚げも美味しいです。



本件に関してはすぐにどうこうという話ではないので、経過観察していきたいと思います。

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